【求人・採用に効く!】中退共で中小企業でも大手に負けない退職金制度をつくる方法

「優秀な人材を採用したいけれど、大手企業と比べて福利厚生で負けてしまう…」 「従業員の定着率を上げたいけれど、独自で退職金制度をつくる余裕やノウハウがない…」

人手不足が深刻化する中小企業において、こうした悩みは絶えません。

そこで中小企業経営者や人事担当者の強い味方となるのが、国がサポートする退職金制度『中小企業退職金共済(通称:中退共)』です。

今回は、中小企業でも手軽に導入できる中退共の仕組みと、「採用・定着」「節税」「助成金」といった経営・労務上の大きなメリットを分かりやすく解説します!

目次

1. 中小企業退職金共済(中退共)とは?

中退共(ちゅうたいきょう)とは、独りでは退職金制度を設けることが難しい中小企業のために、独法・勤労者退職手当共済機構が運営している公的な退職金積立制度です。

事業主が中退共と共済契約を結び、毎月の掛金を金融機関を通じて納付します。 そして従業員が退職した際には、中退共から退職する従業員へ直接、退職金が支払われるという仕組みになっています。

2. 中退共を導入する「5つの絶大なメリット」

中退共は単なる「積立制度」にとどまらず、会社の経営・採用・労務管理に大きなプラス効果をもたらします。

① 求人票に「退職金制度あり」と明記でき、採用力が跳ね上がる!

就職・転職活動中の求職者が企業を選ぶ際、給与と同じくらい重視するのが「福利厚生の充実度」です。

求人票(ハローワークや転職サイト)に「退職金制度あり(中退共加入)」と記載できるだけで、求職者に対する安心感と企業の信頼度が劇的に向上します。大手企業との人材獲得競争を勝ち抜くための強力な武器になります。

② 掛金は全額「非課税(損金・必要経費)」になる!

会社が負担する毎月の掛金は、法人であれば「全額損金」、個人事業主であれば「全額必要経費」として計上できます。

積立をしながら税金を抑えられるため、自社で留保して退職金準備をするよりも税務上圧倒的に有利です。

③ 国から手厚い「掛金助成(補助金)」が出る!

中退共を新しく導入する企業や、掛金を増額する企業に対して、国から掛金の一部が助成されます。

  • 新規加入助成: 初めて中退共に入る場合、加入後1年間にわたり、掛金月額の1/2(従業員1人につき上限5,000円)を国が負担してくれます。
  • 月額変更助成: 18,000円以下の掛金を増額する場合、増額分の1/3を国が一定期間助成してくれます。

導入初期の財務的なハードルをグッと下げてくれる非常にありがたい仕組みです。

④ 社内での未払い・運用トラブルのリスクが「ゼロ」

退職金のお金は会社が口座で管理するのではなく、中退共へ直接納付し、退職時も中退共から従業員の個人の口座へ直接振り込まれます。

そのため、「会社の資金繰りが厳しくて退職金が払えない」「運用の失敗でお金が減ってしまった」といったトラブルが構造的に発生しません。経営者にとっても精神的なリスクから解放されます。

⑤ 掛金は月5,000円から柔軟に設定可能!

掛金は従業員ごとに月5,000円〜30,000円(16段階)から自由に選択できます。 「職種」や「勤続年数」「役職」などに応じて掛金に差をつけることも可能なので、自社の評価制度や賃金体系に合わせた柔軟な設計が可能です。

3. 中退共を導入する際の「2つの注意点」

実務上で絶対に押さえておくべき注意点があります。

⚠️ 注意点1:短期間(1年未満)で退職すると退職金が出ない

  • 勤続1年未満(12ヶ月未満): 退職金は一切支給されません(掛け捨てとなります)。
  • 勤続1年以上2年未満(12〜23ヶ月): 納付した掛金総額を下回り、元本割れします。
  • 勤続2年以上(24ヶ月〜): 掛金総額以上の退職金が支給されます。

早期離職が多い職場の場合、掛け捨てになってしまうリスクがある点には注意が必要です。

⚠️ 注意点2:原則として「全従業員」を加入させる必要がある

中退共は原則として「常用従業員全員」を加入させるルールになっています(パートタイマー等は除くことも可能)。

「特定の気に入った社員だけ加入させる」ということはできません。ただし、試用期間中の社員や、短期間で退職することが明らかな季節的労働者などは除外することが可能です。

4. 社労士目線!導入時は「退職金規程」の整備とセットで

中退共を導入する際は、単に申込み手続きをするだけでなく、就業規則(退職金規程)をしっかりと整備・改定することが極めて重要です。

  • 「どのような条件で加入させるのか」
  • 「自己都合退職と会社都合退職でどのように支給差をつけるのか」
  • 「懲戒解雇時の退職金不支給・減額に関する特例」(※中退共は原則従業員に直接払われるため、会社が支給を止めたい場合は事前に厚生労働大臣の認定手続き等が必要になります)

こうした労務上の規定をあらかじめ整えておくことで、将来の退職トラブルを完全に防ぐことができます。

5. まとめ:中退共で「人が集まり、辞めない会社」へ

中小企業退職金共済(中退共)は、会社にとっても従業員にとってもメリットしかない、国が提供する超優良な制度です。

  • 会社側: 全額損金で節税+国の助成金でコストを抑えつつ求人力を強化
  • 社員側: 国の機関が管理してくれるため、将来の退職金が確実に保全されて安心

「いい人材を採りたい」「社員に長く安心して働いてほしい」とお考えの経営者様は、ぜひ中退共の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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