中小企業が押さえておきたい判断ポイントQ&A
パート・アルバイトなどの短時間労働者について、
「この人は社会保険に入れる必要があるのか」
と迷う場面は少なくありません。
短時間労働者の社会保険は、会社の規模によって判断基準が変わるため、理解が曖昧なまま運用していると加入漏れにつながることがあります。
この記事では、短時間労働者の社会保険について、実務で押さえておきたい判断ポイントを整理します。
短時間労働者の社会保険は会社規模で扱いが変わる
短時間労働者の社会保険は、まず会社が「適用拡大事業所」に該当するかどうかを確認する必要があります。
従業員数が一定規模以上の会社の場合
いわゆる「適用拡大」の対象となる会社では、短時間労働者であっても、次の条件をすべて満たすと社会保険への加入が必要です。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が一定額以上
- 2か月を超える雇用見込みがある
- 学生ではない
この場合、フルタイムでなくても社会保険の加入義務が生じます。
Q. 従業員数が少ない会社でも週20時間以上なら加入が必要?
A. 必ずしも必要とは限りません。
適用拡大の対象でない会社(従業員数が一定規模未満)の場合、
原則としてフルタイム労働者の4分の3以上の労働時間が加入判断の基準になります。
週20時間以上という条件だけで、直ちに加入義務が生じるわけではありません。
まずは、自社が適用拡大事業所に該当するかを確認することが重要です。
Q. フルタイムでなくても社会保険に入れなければならないことはある?
A. 会社規模によってはあります。
適用拡大事業所に該当する場合は、
フルタイムの4分の3未満であっても、条件を満たせば社会保険への加入が必要です。
一方、適用拡大の対象でない場合は、
フルタイム労働者との労働時間・日数の比較が基本になります。
Q. 扶養に入っている場合でも加入が必要?
A. 条件を満たす場合は加入が必要です。
配偶者の扶養に入っているかどうかは、
社会保険の加入判断には直接影響しません。
会社規模や労働条件によって加入要件を満たしている場合、
本人の希望にかかわらず社会保険への加入が必要です。
短時間労働者の社会保険でよくある注意点
実務では、次のような点で判断を誤りやすくなります。
- 会社規模を確認しないまま週20時間基準で判断している
- 契約上の労働時間と実態が一致していない
- 加入タイミングを後回しにしてしまう
特に、少人数の事業所では「うちは関係ない」と思い込んでいるケースも見られます。
事業所側が整理しておきたい実務ポイント
短時間労働者の社会保険については、次の点を整理しておくことが重要です。
- 自社が適用拡大事業所に該当するか
- フルタイム労働者の所定労働時間
- パート・アルバイトの契約内容と実態
これらを把握していないと、正しい加入判断はできません。
社労士からのひとこと
短時間労働者の社会保険は、
「週20時間以上かどうか」だけで判断できる制度ではありません。
会社規模と労働条件の組み合わせで判断する必要があり、
思い込みで運用していると、後から修正が必要になることもあります。
自社の扱いに不安がある場合は、早めに整理しておくことで、無理のない対応が可能になります。
判断に迷う場合は、社労士に相談することをおすすめします。

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