問題社員対応は「やること」より「やってはいけないこと」が重要
問題社員への対応では、正しい方法を知ることも大切ですが、同じくらい重要なのが「やってはいけない対応」を避けることです。
実務の現場では、善意で対応したつもりでも、結果的にトラブルを悪化させてしまうケースが少なくありません。
特に中小企業では、担当者が限られているため、感情や経験だけで対応してしまいがちです。
しかし、問題社員対応は一度こじれると長期化しやすく、会社側の負担も大きくなります。
そこで今回は、問題社員対応で特に注意したいNG行動を5つに絞って解説します。
NG行動1 感情的に叱責する
もっとも多いのが、このパターンです。
問題行動に対して、その場で強く言い返したり、感情的に叱責したりすると、相手との対立が深まりやすくなります。
もちろん注意や指導は必要ですが、感情をぶつける形になると、後から「パワハラではないか」と主張されるリスクもあります。
ポイント
問題社員には、感情ではなく事実ベースで対応することが重要です。
「何が問題なのか」「どう改善してほしいのか」を冷静に伝える必要があります。
NG行動2 記録を残さない
問題社員対応で非常に重要なのが記録です。
ところが実際には、口頭注意だけで終わってしまい、何を伝えたか残っていないケースが多く見られます。
記録がないと、後から対応経過を説明できません。
いざ解雇や懲戒を検討する段階になっても、会社側の主張を裏付ける材料が不足してしまいます。
残しておきたい内容
- いつ注意したか
- 何を問題として伝えたか
- 本人がどう反応したか
- その後改善したかどうか
小さなことでも、積み重ねが大きな証拠になります。
NG行動3 対応を先延ばしにする
「今は忙しいから」「もう少し様子を見よう」と対応を後回しにしてしまうのも危険です。
問題社員の行動は、放置すると周囲にも悪影響を与えます。
他の従業員の不満が高まり、職場全体の雰囲気が悪くなることもあります。
さらに、対応が遅れるほど「会社は何も言わなかった」と受け取られやすくなり、後から強い対応を取りにくくなります。
ポイント
違和感を覚えた段階で、早めに事実確認と初動対応を行うことが大切です。
小さいうちに対処する方が、結果的に負担は少なくなります。
NG行動4 他の社員の前で注意する
本人に注意する場面でも、場所と伝え方には注意が必要です。
他の社員の前で強く注意すると、本人のプライドを傷つけるだけでなく、周囲にも不安や萎縮を与えます。
場合によっては、羞恥心を伴う対応としてトラブルの原因になることもあります。
ポイント
注意や指導は、できるだけ個別に行うのが基本です。
周囲に見せるための叱責ではなく、改善のための指導として行うことが重要です。
NG行動5 就業規則や基準を確認せずに対応する
問題社員対応では、「とにかく厳しく対応すればよい」と考えてしまうことがあります。
しかし、会社には就業規則や社内ルールがあり、それに沿った対応が必要です。
ルールを確認せずに処分を行うと、後で「その処分は不適切だ」と争われる可能性があります。
ポイント
対応前に、就業規則・雇用契約書・過去の運用を確認することが重要です。
ルールに基づいた対応であれば、会社側の説明もしやすくなります。
問題社員対応は「順番」が重要
問題社員対応では、何をするかだけでなく、どの順番で進めるかが非常に重要です。
一般的には、次の流れを意識します。
① 事実確認
まずは、何が起きているのかを整理します。
② 記録の作成
注意内容や面談内容を残します。
③ 本人への指導
改善すべき点を具体的に伝えます。
④ 改善状況の確認
その後の行動を見て、次の対応を検討します。
この流れを踏まずに、いきなり強い処分を行うと、トラブルになりやすくなります。
まとめ|問題社員対応は早めの整理が大切
問題社員対応で大切なのは、感情で動かないことです。
そして、記録と順番を意識しながら、冷静に対応することです。
今回ご紹介した5つのNG行動は、どれも現場で起こりやすいものです。
- 感情的に叱責する
- 記録を残さない
- 対応を先延ばしにする
- 他の社員の前で注意する
- ルールを確認せずに対応する
これらを避けるだけでも、トラブルのリスクはかなり下げられます。
問題社員対応でお悩みの方へ
問題社員対応は、対応を誤ると長期化しやすく、経営への影響も大きくなります。
「この対応で大丈夫か不安」「どこから手を付ければいいかわからない」という段階でも、早めの整理が重要です。
当事務所では、問題社員対応や労務トラブルについて、
初動対応から実務ベースでサポートしています。

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