パート・アルバイトでも必要?社会保険加入の判断を5分で整理
「パートやアルバイトにも社会保険は必要ですか?」
これは、従業員を雇い始めた事業者の方から非常によく受ける質問です。
制度が複雑で、
「週20時間以上」「106万円・130万円」「扶養の範囲」などの言葉が先行し、正しい判断ができないまま運用しているケースも少なくありません。
今回は、パート・アルバイトの社会保険加入判断を、実務目線でシンプルに整理します。
そもそも加入が必要な社会保険とは
ここでいう社会保険とは、主に次の2つを指します。
- 健康保険
- 厚生年金保険
これらは、一定の要件を満たすと、正社員でなくても加入が必要になります。
判断の基本は「労働時間と雇用期間」
まず最初に確認すべきポイントは、次の2点です。
- 週の所定労働時間
- 雇用期間の見込み
正社員の4分の3以上働く場合
次の条件を満たす場合、原則として社会保険への加入が必要です。
- 週の所定労働時間が正社員の4分の3以上
- 所定労働日数も正社員の4分の3以上
この場合、パート・アルバイトという雇用形態に関係なく、加入義務が生じます。
4分の3未満でも加入が必要なケース
近年、いわゆる「短時間労働者の社会保険適用」が拡大されています。
次のすべてを満たす場合、社会保険への加入が必要です。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 雇用期間が2か月を超える見込み
- 月額賃金が8.8万円以上
- 学生でない
- 特定適用事業所に該当する
ここで混乱しやすいのが、事業所の規模要件です。
事業所規模による違いに注意
社会保険の加入義務は、会社の従業員数によっても異なります。
- 常時51人以上の事業所:原則、上記要件を満たせば加入
- 50人以下の事業所:現時点では原則対象外(※例外あり)
「うちは小規模だから関係ない」と思い込んでしまうと、将来的に制度変更で対応が遅れるリスクがあります。
「106万円」「130万円」の誤解
よくある誤解が、
「106万円以内なら社会保険に入らなくていい」
「130万円を超えなければ問題ない」
という考え方です。
これらは加入義務の判断基準ではありません。
- 106万円:短時間労働者の賃金要件を年収換算した目安
- 130万円:被扶養者認定の基準
会社側の加入義務と、本人の扶養の問題は、別の制度として考える必要があります。
実務でよくある判断ミス
実務では、次のようなミスが多く見られます。
- 労働時間が増えたのに手続きをしていない
- 雇用契約書に社会保険の記載が曖昧
- 扶養に入っているから加入させていない
これらは、後から加入手続きを求められ、保険料の遡及が発生する原因になります。
迷ったときの現実的な対応
判断に迷った場合は、次の対応が現実的です。
- 雇用契約時に労働時間を明確に定める
- 勤務時間変更時に加入要否を再確認する
- 早めに社労士へ相談する
特に、パート・アルバイトの働き方は変わりやすいため、定期的な見直しが重要です。
社労士に相談するメリット
社会保険の加入判断は、
「知らなかった」では済まされません。
社労士に相談することで、
- 現状の加入要否の整理
- 将来の制度変更を見据えたアドバイス
- 実務に合った契約書・運用の見直し
が可能になります。
まとめ
パート・アルバイトの社会保険加入は、
- 労働時間
- 雇用期間
- 事業所規模
この3点を軸に判断します。
制度を正しく理解し、早めに対応することで、不要なトラブルや追加負担を防ぐことができます。判断に迷う場合は、専門家のサポートを活用することをおすすめします。

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